白蘭×骸

君の弱いところ
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骸くんの過去に背負った傷は相当大きい 僕はそれを今回の出来事でひどく実感した

あの時僕が早く仕事を終らせていればよかったんだ・・・・


仕事が終ったのは朝の5時

「骸くん怒ってるかな・・・ねぇ、正ちゃん怒られるときは一緒だからね?」

「は?何言ってるんですか。白蘭さんの責任でしょう。僕はしれませんからね!」

2人は仕事が終わって白蘭の部屋へ向かっていた

「ひどいなーま、どうせ骸くんは正ちゃんには怒らないだろうけどね。」

悔しそうに言いながら白蘭は部屋のドアを開ける

「当たり前ですよ・・・・ん?
白蘭さん骸さんはいないんですか?」

この部屋へ来たらいつもいるはずの骸が今日はいない

「ベッドに寝てるんじゃないの?ホラ・・・ッ!!」

寝室を除いた白蘭は驚いた

「骸くんっ?!どうして泣いてるのっ?」

なんと骸が大量に汗をかいて泣いていた

「骸さんいましたか?って、何泣かせてるんですか!!」

泣くので必死だった骸は正一と白蘭の大声で2人がいることに気づいた

「僕は泣かせてないよっ!!
で、骸くんどうしたのっこんなに汗もかいて・・・」

そう尋ねても骸は口をパクパク動かして首を横に振っているだけだった

「・・・・?」


「・・白蘭さん。もしかして骸さん、声が出なくなったんじゃないんですか・・・・?」


恐る恐る発せられたその言葉の真実を確かめようと聞いた

「そうなの・・?骸くん・・」

骸は申し訳なさそうにコクンとうなずいた

「どうして・・・」

「とっ、とりあえず医者呼んできますっ」


医者に見てもらった結果、一時的に声が出なくなるだけで、

一時したら普段どうりにもどるという

ただ、声が出なくなってしまった原因が夢によるショック

どんな夢を見たのか聞いてみると骸は黒のペンでいらなくなった書類の裏に

研究所

とだけ書いた

「研究所・・・ってエストラーネオファミリーのこと?」

骸はそのファミリーの名前を聞くと体をビクッと震わせた

相当、骸がそのファミリーに怯えているということがわかる

白蘭は骸の涙をぬぐってあげることしかできなかった

そして夜になった

あれから半日は経ったが相変わらず骸の声はもどらない

「骸くん?とりあえず寝よ?起きたら直ってるかもしれないよ?」

骸は首を横に振ったそして口パクで 怖い と言った

「怖い、かぁ」

ハァとため息をついて白蘭はベッドの端に座った
骸は白蘭とは反対の方の端に座っている

「骸くんは、こういう風になるのは初めてなの?」

沈黙を突き破るように白蘭は質問をした

すると骸は先程つかったペンと紙に

 貴方に会う前は月に1回ぐらいなってました

と綺麗な字で書いた

「そうなんだ・・・どうして僕と出会ってからは、なかったの?」

そう聞くと骸は白蘭を指差し

いつも、横には貴方がいたから

そう綴った

「僕が・・・?」

白蘭は後悔した

もし仕事を早く終らせていつもの時間に帰ってきてたら骸はこんな辛い思いをしなくて済んだ

自分のせいなんだ、と

白蘭の変化に気づいた骸はひざ立ちで白蘭のもとへ行った

少し高いところにある骸の顔を見て白蘭はいろいろと一杯になって骸の胸に顔をうめた

「ごめんね?僕が1人にしてしまったせいだよね・・?」

骸に抱きついたまま白蘭は謝った
それを聞いた骸は顔を合わせるために白蘭を自分からはがしいつもの身長差になるように座った

「・・・骸、くん?」

骸は白蘭の顔を見てまた紙に何かを書き出した

「・・?僕、が弱いから・・・
いけなかった。・・?」

白蘭が書かれた文を読むと骸は今まで我慢していたであろう涙を1粒流した
次から次へと流れる涙は終わりを知らなかった

「・・・骸くん・・・。おいで?」

白蘭は骸を自分の腕の中へ誘った
骸は素直に白蘭の温もりを感じた

「・・・生きてる人みんなよわいところはあるんだよ?だから大丈夫。骸くん、笑って?」

骸は白蘭を見上げて少しとまどっていたが、すぐにふんわりとした笑顔になった

その笑顔があまりにもかわいくて、たまらなくなった白蘭は骸にキスをした

「フフッ骸くん、かわいすぎだよ?」

いきなりのことで頭が回っていなかった骸は今やっと状況を理解した そして頬を赤く染めた

「さぁ、寝ようか。もう遅いし今日はちゃんと横にいるから」

さすがの骸も、もう眠いのか今度は嫌がらずに白蘭の横に倒れこんだ
一時モゾモゾと動いていたが白蘭の腰に腕を回して眠りについた



目が覚めると夜があけていた

「骸くーん?起きてぇ!起きないと・・・襲っちゃうよ?」

いい気分で寝ていた骸はそのセリフを聞いて飛び起きた

「っ起きますっ!起きますからっ!!・・っ」

白蘭はニッコリ笑った

「声もどったね。調子はどう?」

そう言って白蘭は骸の喉もとそっと触れた

「声が、出てますっ直ったんですか・・・?」

まだ信じられないように骸は喋る

「うん。直ったね!さぁどうぞ!!」

白蘭の意味不明な要求に骸は首を傾げた

「・・なんですか?」

「骸くんさ、僕に言いたいことあるでしょ?昨日から」

そういうと骸は顔を真っ赤にした

「・・・っありがとう、ございました・・・」

それを聞いた白蘭は違うでしょ
と否定した

「もう1個とっても大事な言葉があるでしょ?」

白蘭は笑顔を絶やさない
早く!と焦らす白蘭に骸は口を開いた


「・・・好きです、大好きですっ・・・昨日からそれが言いたくてたまらなかった・・・」


「よくできました。」

白蘭は骸の頭をなでて優しく暖かく抱きしめた

「白蘭の言葉とても嬉しかったです・・・」

ボソッと呟く骸は顔は見えてなかったけどきっと真っ赤なんだろうなぁ、と白蘭は笑った


「僕も、愛してるよ?これから君を1人にしたりしないから。
辛い思いなんかさせないからねっ」

骸は無言で頷いたそして顔をあげ昨日のような優しい笑顔を白蘭に見せた


END







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