【紫煙と野良猫】 ゆらり、ゆらり 空に漂う紫煙 風に流され、四散する 何とも無しに流れる紫煙を目で追う 開け放たれた窓から外に逃げ出し 外の空気と混ざる 消えた紫煙に興味を無くした時 視線を感じた −…にゃおん 何時の間にか家に懐いた 黒と白しか持たないモノクロな猫 今日も、ふらりとやって来た じっと見上げ、餌を催促する 一度溜息のように紫煙を吐き出し 気まぐれな猫の空腹を満たしてやる事にした 空腹を満たし満足したのか この気まぐれなモノクロ猫は定位置となったベッドの上で眠っている −…カキンッ ゆらり、ゆらりと再び 空に紫煙が漂う そしてまた、紫煙を目で追う しかし今度は、ふと猫に視線をやった 躯を丸め、小さな寝息を立てている 短くなった煙草を灰皿に押し付け 窓を閉めようとして、止めた 猫の出入り口だからだ カーテンだけ閉め 猫の眠るベッドに近付く 起きる気配はない キシッと小さくベッドが鳴る 猫は起きない ふっと苦笑を浮かべながら 猫の隣に寝転ぶ ベッドライトを消し 寝ようとしたら、猫がすり寄って来た 気まぐれなこの猫は、明日の朝にはもう居ないだろう 紫煙の様に、痕跡は残さず しかし、確かにあったと言う匂いを残して コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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